【もしも愛を量る事のできる機械があるなら 君はなんの迷いもなく量る事ができますか?】

神谷優

量る方はできないないが比べる事はできる。これは愛の話



・2034年9月

小泉純二郎が新総理となったこの年

石破茂元総理が増税に増税を重ね、たった10年で消費税は23%まで上がった

新・増税爆増メガネなんてあだ名まで付いている

国民の批判を受けながらもよくやったと思う

僕はこの人のした事はあまり間違っていなかったと思う

実際大学まだの授業料無償や

18歳以下の医療費無料など

しっかり還元はされていると思う

特にこの人がやっていた少子化問題やなんかはこの日本をこれからを大きく変えると思う

簡単にいうと結婚・出産・子育てそれに当たる費用の支援

結婚に至るまでの支援もあるのだから10年前じゃ考えもつかない

少子化対策にまずは結婚しなければ元も子もないという事だろう

そしてそこで5年前開発された物がある

それが愛を量る機械『アモール・ペサ』これの普及

これは単に対象にする相手の愛の%が量れる機械だ

自分がどれだけ相手の事が好きか分かるというものだ

そんなのいらないと思う人もいるが

一生の愛いを誓わせてくる顎髭の長いおじさんの問いに迷いなく回答する人はあまりいないらしいから

自分の不安を解消するための道具というのは必要だと思う

その誓いをしてしまったが故に何十年も一緒にいるのは辛いし、子作りなんかもってのほかだ

ただ人の気持ちはか変わる

これの数値がいいからって一緒というわけではない

そう思うと意味はない気もする

これを使って自分の気持ちに気付き別れたケースも多くあったらしいが

不安になっている人が使うものなので

実際のとこそういう気持ちがある人はそもそも結婚まで至らない

結婚してもすぐに離婚するからいいだろうと思う

だが結果これの普及により結婚率は上がって出産率も徐々に上がっているらしい

そう朝の番組でやっていた

この機械が関係あるかは知らないが

これは誰でも使える物ではない

正式な手続きと

使う相手とのお互いの同意や誓約書を書くらしい。

確か条件は付き合って2年以上でご両親との面識があるかとかだった気がする

アレルギー検査のような感じのいくつかのグラフで出るらしく

それの総合点が相手への気持ち度合い

嘘発見器があり得ないと思われてたいた時代もあったが文明の進歩は早い

僕は使った事がないので詳しくは知らない。

けどこの機械を使いたいなとドキドキ思う

この機械はどちらか一方が使う事は許されていない、しかしお互いの結果を見せ合う義務はない

やはり個人の情報は守られるらしい

相手の見れないというのが日本らしくていい

それに自分の数値がいいのに結婚に至らなかったら相手の数値が悪かったということ

結果的に相手のは見なくても分かるので見なくてもいいのは確かである

ただ相手の数値が低いのにも関わらずという場合でもそれをなかった事にして結婚する場合もある、それについて役所は特に何も言ってこない。個人を尊重するという事だ

相手の為に嘘をつく人も中にはいる時代は変わらないという事だ

僕はそういった意味では使う必要ない

自分でいうのも嫌だが、昔からモテていたし女性付き合いも豊富で

人の気持ちは大抵分かる。

嘘をつかれているとかそういった事も大抵分かる。これは愛を量る機械なんかよりも優れている気がする

ホストを長年やっていた友達も同じ事をやっていた

こういうのはやはり経験だと思う

ただ分からないのは自分の気持ちだ




・僕には4年の付きあっている彼女がいる

が、一緒に夜を過ごす相手が他に2人いる

これは浮気だと言えばそうだが

いや、この2人と会う時は夜だけで家でのお泊まりがメインで遠出なんてほか外食もほとんどない

これはちゃんと浮気だ

でも実際覚悟を決めた時やめようと思っている

結婚するまでと決めている。

ただ相手にも悪い気はするが

それは相手も同意の元である。

彼女がいる事自体は知らないが

一度彼女の気持ちを考えて覚悟を決めてブロックをした事がある。

ただ何となく気持ちを考えたらやめようと思った

そしてなんの連絡もなく2人ともLINEをブロックした

だが1週間も経たないうちに

2人ともはインスタで連絡が来た

僕もLINE以外はブロックしていなかった

ただこうなったら良いなと、それである程度気持ちが量れるし、浮気とはいえそこまで気持ちを寄せられるのは嬉しいから

ただ2人ともに伝えた一緒にいる意味はないと、

けど

2人とも同じようなことを言った意味とかじゃなくて会いたいなら会えばいいじゃんと

僕はそういう気持ちあまりないのだけどなと思った

ただ僕は男だから女を求めるのはただの必然に意味はない


元アイドルで今上野でキャバクラとたまにコンカフェ出勤している子で名前はみずき

もう一方の子も元アイドルで今は歌舞伎町のガールズバーとたまにメンズエステで働いているらしい名前はユカ

2人とも細くて胸が小さく年齢は28歳でかわいい見た目のした子である

2人とも18歳と言われてもおかしくないような子で

すっごくタイプである

僕の彼女は普通の子なのでかなり違うと思う

それぞれの出会いは僕がそれぞれのお店に行った時に連絡先を交換してできた繋がりで

その後はお互い数回しか行ってないが

今の関係に至る

やはり僕はモテるのだと思う

彼女がいるのにそんなお店に行くのは良くないが仕方ないと思っている

僕の仕事は風俗の内勤で今の時代もこういう業界はブラックなとこは多いので彼女と時間が合うのは月に1度あるかないかで

会えない日の休みは有意義に過ごしたい

でも仕事を辞めようとは思わない、給料は悪くないし、なにより僕がいなくなるとお店が困る。毎日疲れているが


・『優くんもう会えないの?』

『会えないかなー』

『なんで??』

『会う理由ないからかな』

『嫌われてないならまた会いたいよ、』

『わかった』

それがラインをブロックしてすぐインスタでのDMでのやりとりだった

みずきと出会ったのは1年半年前で、その日は月に2.3回しかない休みの前日で仕事終わりに1人で慌てて駆けつけた大井競馬場の第11レース、その日のメインレースで

休憩時間に念入りに予想を立てていたレースで3連単が10万円付いてこれを見事に買っていた

そのレースが終わって自分の家がある新宿に帰った時間は22時頃で次の日が休みという事もあり、勝ったお金を握りしめながら新宿駅から家に帰っている途中に立っていた首から看板を掛けている女の子のお店に行った

その女の子がみずきである

この日はコンカフェの出勤だったらしくかわいいフリフリの洋服を着ていてすごく興奮した

目の悪い僕は遠くからでも自分のタイプだと確信を持って近づいて行った

その日はワンオペだったらしく

お店の中では終始2人きりだった

コンカフェは連絡先の交換ができないらしいが、それも2人の空間ではそれも意味をなさなかった

そして、先ほどの流れの通り何回かお店には行ったがその後行く事はなくなり休みの日や休みの前の日に時間が合う時は共に過ごした


・『なんでブロックしたの?』

『意味ないかなと思って』

『そういうのって意味じゃなくない?会いたいなら会えばいいじゃん』

『そうなのかな?まー会いたいといえば会いたいけど』

『会いたいなら、もう連絡しないとかやめて、本当に悲しかったんだよ』

『会いたいっていうか暇だなってなった』

『なら暇つぶしでも遊んでよ』

それがラインをブロックしてすぐインスタでのDMでのやりとりだった

正直な事を言ってもそれでも会いたいと言ったその子はユカ

ユカとの出会いは一年前の7月で

お店が臨時で休みになった日に同僚と朝からボートレースに行きしっかり2人とも負け

次の日は朝から仕事だというのに飲みに出る事に、歌舞伎町をフラフラしていて見つけた2人組のガールズバーの女の子の片割れで

同僚があそこ良いんじゃないと提案した時、びっくりしためちゃくちゃタイプな子だったからだ

帰り際みんなで連絡先を交換したのだがユカはその日全く喋ってくれなかった

側から見たら感じが悪いと言われてもおかしくない

それが僕には人見知りなんだと分かっていたから、そういう子が好きな僕はメロメロになった

だがその後ユカから連絡はあまり来なかったが2週間後にあった彼女のバースデーに来るだけでいいから来て欲しいと言われ行った事がきっかけでユカの気持ちが僕に向くようになってきた

その後ユカが休みの日にご飯に誘われて

その日は何もなかったが

その次にお店に行った時にユカは僕の家に帰ってきていた

それ以来お店に行く事はなく

ユカとは世間一般では付き合ってなければおかしな日々を過ごした

なにより彼女よりたくさんの日々をこの一年過ごした

でも4年という年月には勝てなく、

僕が好きなのは彼女だけど

ユカは都合が良かった

もっと都合がいいのがみずきだった

僕が空いてる時に彼女と予定が合わなければまず誘うのはユカ

空いていなければ次に誘うのがみずきだからである

月に1回も会っていたのでみずきはかなりの確率で誘ったら会えていた


・4ヶ月前の事だ職場が僕の家と近いユカが僕の家に週に半分入り浸るようになり、合鍵も持っていたし出入りも勝手にしていた

何で付き合っていないのかユカは思っていたかもしれない、

冗談混じりで言った事がある

『僕たちって付き合ってるの?』

『え、そうなの?』

『そうだと思ってた』

『付き合ってくれないのかと思ってた』

『じゃいつか結婚しよ』

そんな意味のわからない会話をした

けどこの彼氏彼女って言葉よりもその2人の現状に満足していたのだろう。

実のところ言うと家に居られのは邪魔だと思う事もあった

疲れて家に帰ったら仕事前の人がいるのだ、どう考えても邪魔である

ただ僕はウサギを飼っていて今年で3歳の名前はピンちゃん。家を仕事で日によっては12時空ける事のある僕はユカが僕のいない時間に居てくれるのは助かる

この仕事を初めて2年経つがピンちゃんには悪い事をしているこの仕事始める前はこんなに家を空ける事はなかった

それに彼女とも月に1回ということもなかったもっとたくさん一緒にいた

いろんな日々や思い出を過ごした

この仕事をしていなかったらこうはならなかったなとも思うが仕方ない

両腕にタトゥーが入ってる僕が働ける場所は数少ない

でも後悔はしていないこれが僕の人生だ

海外までサッカーをしにいきそこで初めて入れたのがきっかけで、気づいたら一般人としては生きていけない姿になってしまっていた

そのサッカーは2年前に怪我で引退をすることになり、今でさえ全力で走れない

その落ち込んでいた時に支えてくれていたのが今の彼女だった

その後サッカーのコーチという仕事もあったがこの成は悪影響だと思う親御さんもいるため

結局今の仕事くらいなもんなのだと改めて思う


・ユカが家に入り浸るのが嫌な理由がもう一つある

それは彼女も家の合鍵を持っているのだ

それとこの仕事を初めて彼女が勝手家に来たことはほとんどなかったというか、ないような気もする、昔は勝手に来ていたが、

『誰かいんの?』

そう通知があった

彼女は僕のそういった行動をずっと知っているのかと思っていた

知っていたけど見てみぬフリをしているのかと思っていた

知らなかったんだな、

『ごめん今日家来ないで』

『わかった』

そう慌ててLINEをした

ユカは今日ガールズバーの仕事終わりに家に来ると言っていた

今家に居なくてよかったと安心する

ユカやみずきが家に来ていた当初は家にいた痕跡を消していりしていたが途中から彼女はあまり来ないのでそれもしなかった

その行動を知っていたとしてもその現実を目の当たりにするのは辛いから

今日も念の為とユカが置いていった荷物を隠そうとも思ったがやめた

めんどくさかっただけだけど

そらにびっくりしたのは彼女がそんな言い方をした事だ

彼女はそういうのを見つけても黙っているタイプの子だったから

今まだはそうだったけど今は違うのか

それとも今まで本当に気づいていなかったバカなのか

そしてその日うさぎの面倒を見てもらっているだけだと弁明して君だけしか愛していないという言葉を添えて

実際そうだし相違はない。

その日は彼女は帰る事になった

またユカが居ない日に行くねと言われた。

彼女がこの日来たのは最後にあってから3週間くらいしてからで

帰ってさえいなければ2人の未来は変わっていたかもしれない




・ユカにLINEを送った

彼女のために

『来月引っ越すから鍵返して家にある荷物は時間ある時取りに来てその後鍵ポストに入れて』

そのLINEを最後に連絡は連絡は一切とっていない

邪魔だと感じた

1番大事な人は彼女だし

それに仕事が忙しい僕に余計な事に巻き込まれて、自分のせいだけど

こうなったのは荷物を置いて帰ったユカにも原因はあるか

疲労困憊の僕にはこれが最前だった

今回はSNSも全てブロックした

そしてみずきも同様に

みずきには何も連絡はしていない

そろそろ覚悟を決める時がきたのだと感じたから


・その1週間後彼女の連絡先全て消した

僕には分からなかったから

みずきは健気で純粋で可愛くて

ユカは綺麗で女として完璧だつた

この先彼女とずっと一緒だと思った時2人が頭にちらつく

【比べる事はできるが量ることはできない】

2人に比べたら彼女がよかった

比べるまでもなかった

2人に好きという感情はなかったから

ただ失って分かる

比べるものがなくなったときに分からなくなったのだ。

本当に好きなのかと

好きな気持ちにはいろいろあると思う

ドキドキしたりキュンキュンしたり

ただもうひとつある

これからも一緒に過ごしたいとか、自分の行きたいところは一緒に行きたいとか、

そういうのも好きのうちに入るらしい

2つとも好きに変わりはないと思うけど

けど後者の方を彼女に抱いていた

前者の方なら自分でもその気持ちに気付けるのに

それに2人が良い女だったというのもあるだろう、顔も体も綺麗だったから

彼女はそうではない、それとこれからずっと一緒なのかとふいに思ったりもした

2024年の6月23日を彼女と会ったのを最後に2人の恋愛は終わった

もしこの時

愛を量る事のできる機械があればなと思う自分の気持ちなんて自分でも分からなかったが

もしもそれを量りいい数値なのを見せ合う未来があったら

現実は違う

女の子が服を決めるのに戸惑うのも

定食屋で鯖の味噌煮かチキン南蛮かも

案外自分の事が1番分からなかったりする

それさえ分かれば






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【もしも愛を量る事のできる機械があるなら 君はなんの迷いもなく量る事ができますか?】 神谷優 @kamia_tenten

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