第15話



(その傷どうしたの?)


ともみの泣きそうで心配そうな顔。

彼女の聞きたい事はおそらく

身体の背中やお腹の至る所にある

アザや傷だけではない。

手首にある傷もだ。


見たらゾッとする様な酷い切り傷は

自傷行為。いわゆるリストカット。



(お風呂出てから話すね。)


心配そうな顔をするともみに

早く説明したいけど

人は少ないが全くいない訳ではない。

誰に聞かれるかわからない所で

話す勇気は私にはない。



見られない為になるべく早くお風呂を済ませようとするが、やっぱり見られる。


そしてわざと聞こえるように言っているのか

と思いたくなる陰口。

そりゃそうだ。

普通の家庭で生活してたら

こんな身体じゃないのは確か。

理解されたいとも思わないが

理解出来ないのが普通だと思う。



周りの視線、陰口が

私を普通じゃないって思わせる。

同級生や先輩が悪い訳ではないが

せめて私が居なくなってからにして欲しいのが本音だ。



そんな事を思いながら淡々とする事を済ませ

入浴場から出た。








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