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男は私の手を離し、逃げていった。
「大丈夫か?」
「あ、はい。ありがとうございました」
私はお礼を言い、立ち去ろうとしたけど
「待て」と言われた。
「名前は?」
「鈴ですけど…」
「明日の夜空いてるか?」
「あ、空いてますけど」
「手、だしてくれ」
手?
よく分からないけど、言われるがまま手をだした。
「え、ちょっ」
四條さんはボールペンで、私の手の甲に何かを書き出した。
「じゃあ、20時にここに来い」
手を見ると、建物の名前とレストランの名前が書かれていた。
このレストランって、イタリアンでとても人気で予約待ちのとこじゃない?
「じゃあな」
「え、あの」
断る隙もなく、四條さんはどこかに行ってしまった。
えー…。
どうしたらいいの?
とりあえず消える前に、写真を撮っといた。
私あの人の事、よく知らないし。
初対面だし。
私は悩みながら家に帰った。
家に帰ってもどうするか、ずっと悩んでた。
助けてくれたし、やっぱり行くべきだよね…。
私が行かなかったら、ずっと待ってる可能性もあるし…。
それより、もうこんなこと辞めよう。
今後もこーゆー事あるかもだし。
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