6P

男は私の手を離し、逃げていった。


「大丈夫か?」


「あ、はい。ありがとうございました」


私はお礼を言い、立ち去ろうとしたけど

「待て」と言われた。


「名前は?」


「鈴ですけど…」


「明日の夜空いてるか?」


「あ、空いてますけど」


「手、だしてくれ」


手?


よく分からないけど、言われるがまま手をだした。


「え、ちょっ」


四條さんはボールペンで、私の手の甲に何かを書き出した。


「じゃあ、20時にここに来い」


手を見ると、建物の名前とレストランの名前が書かれていた。


このレストランって、イタリアンでとても人気で予約待ちのとこじゃない?


「じゃあな」


「え、あの」


断る隙もなく、四條さんはどこかに行ってしまった。


えー…。


どうしたらいいの?


とりあえず消える前に、写真を撮っといた。


私あの人の事、よく知らないし。


初対面だし。


私は悩みながら家に帰った。


家に帰ってもどうするか、ずっと悩んでた。


助けてくれたし、やっぱり行くべきだよね…。


私が行かなかったら、ずっと待ってる可能性もあるし…。


それより、もうこんなこと辞めよう。


今後もこーゆー事あるかもだし。

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