私が愛した人は…

桜華

第1章

1P

「あはははっ」


路上で踊ってる若者。


「ねぇ、俺たちと遊びに行かない?」


ナンパしてる男たち。


「5万でいいよぉ?」


援交しようとしてる女子高生とおじさん。


ここではどれもよく見る光景だ。


キャバクラやホストクラブ、飲食店など多くある繁華街だ。


「ご馳走様でした。今日はありがとうございました」


「こちらこそ、久々に一緒に食事できてよかったよ。ハイ、これね」


私は男から、封筒を受け取った。


「ありがとうございます」


「じゃあ、また連絡まってるよ。鈴ちゃん」


男はそう言って、立ち去った。


私は封筒の中身を見た。


3万か。


まぁ、ご飯食べるだけだし。


封筒から取りだし、財布にしまった。


私の名前は、木下 鈴。


高校2年生。


親はいない。


小さい時から施設にいて、高2になって施設を出た。


今の人は、名前しか知らない。


恋人ではない。


世の中で言う、援交みたいなもんだけど、私は一緒にご飯食べに行くだけだ。


ご飯代も浮くし、その上お金が貰えるなら一石二鳥。


施設は高校卒業まで見てくれるけど、私はあることがきっかけで、早く施設を出たくてお金を稼ぐため高1からしている。


今日は、帰ろう。


ん?


繁華街の出入口、やたらと人が集まってるな。

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