第48話

「憂佳、新人くんめっちゃイケメンじゃん」



お風呂から出てきた愛未は案の定テンションが高い



「年下は興味ないって」



私がそう言うと、



「良い感じだと思ったんだけどな」



適当なことを言ってくる



田中くんの時もそうだったじゃん




相手にしないでお風呂に行こうとすると、



「今日何かあったんだって?」



心配そうに聞いてきた



五十嵐が言ったのかな




「五十嵐くんも心配してたよ」



やっぱりそうか



私は仕方なく東城さんの話をする



話す気分じゃなかったんだけど




すると、



「不倫とか最低だよね」



愛未は眉間にシワを寄せて言う



絶対にそう言うと思った




たしか愛未は親が不倫して離婚している



だから不倫には過敏に否定的だ



まあ、肯定する人も少ないと思うけど





「五十嵐くん、憂佳のこと好きなんじゃないの?」



「は?馬鹿なこと言わないでよ」



愛未が突然変なことを言うから口が悪くなってしまう



五十嵐が私を好きになる訳ないじゃん




「普通心配してホテルまで行かないと思うよ」



「いや、それは東城さんのこと知ってたからでしょ」



私は必死に否定する



だって、誤解されたら五十嵐もかわいそう




すると、



「私が応援すると上手くいかないから応援しないよ」



愛未は勝手に話を進める




「応援するもしないもないから」



私はそう言ってお風呂へ向かった

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