第25話

「えれな、早く行くよ~」



2限が終わって昼休みになった瞬間、結菜に声をかけられてついて行く



……また購買のコロッケパンか



「1組になって購買が近いから有利だ~♪」



この時だけはいつも元気が良い




購買に着いて私もついでにコロッケパンを買う



すると、あっという間に売り切れてしまった




「一人1個までなのにすぐ売り切れちゃうよね~」



結菜と教室に戻ろうとすると、お兄ちゃんが購買の列に並んでいた



「えれなっ、コロッケパンくれよ!そんなに好きじゃないだろ」



そういえば、お兄ちゃんもコロッケパンが大好きだっけ




あげてもいいかな~



そう思って渡そうとすると、



「はい、私のあげます♡」



結菜がお兄ちゃんにコロッケパンを差し出した



「結菜ちゃん、いいの?」



お兄ちゃんは目を輝かせている



パンに釣られるなんて単純だな~




「ジュース買ってあげるよ」



「ありがとうございます」



結菜は女の子らしい顔をしている



恋をしている女の子っていつもの何倍も可愛い



後で私のを結菜にあげようっと‥‥…





「あ、コロッケパン!!」



いきなり後ろから声がして振り向くと、



「これ、ちょうだい」



翔汰が私を抱えてバンを取り上げようとしてきた



ちょっと、近いよ……



まるで後ろから抱き締められているみたいな格好



ドキドキ………



周りの注目を浴びていて恥ずかしい





すると、



「速水くん、これあげる♡」



そう声をかけたのは市川さんだった

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