第22話

「社長ってすっごくかっこいいですよね〜

美月、結婚するなら社長みたいな人がいいなあ〜」


仕事をしている社長の横で一生話しかけている

頭がお花畑な櫻井さん。


社長はパソコンから視線を逸らさずに、

櫻井さんの会話に答えている。


「そうか」


私は最初ヒヤヒヤしながら見ていたのだが、

社長はこのタイプの女に耐性があるらしい。


「あっ、社長何か飲みますかぁ?

マグカップが空ですよ〜」


…だから、あなたお茶も淹れられないでしょ?


「…ああ、コーヒーで」


ほら、アイスかホットか聞かなきゃ、

社長は気分によって変わるんだから、


「わかりました〜コーヒーはやっぱりアイスですよね〜私買ってきます〜」


そう言って、秒で戻ってきた彼女が社長に差し出したのは某有名カフェのコーヒーじゃなくて、コンビニのアイスコーヒーだった。


…ああ、終わったよ…これ、

私が怒られる奴だよ絶対…


「はーい、社長どうぞ〜アイスカフェラテです〜ガムシロップ入れたので甘々ですよぉ〜」


絶対いらないって言うから…


社長はコンビニのマシーンのコーヒーは絶対飲まない。

ちゃんと良い豆を挽いたコーヒーしか飲まないのだ。

だから私はいつも会社に海外から取り入れたコーヒー豆を常備している。


…けれど、、、



「ああ、ありがとう」

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