第37話

「そうか、

紅亜、おまえ俺に見惚れてただろ?」


ドキンと胸が鳴る。


「…か、勘違いもいいとこよ!」


満足気に笑う志弐。


「フッ…相変わらず可愛いな」


志弐に腕を引っ張られ、


連れていかれる。


「ど、どこいくの?」


「内緒」


キャー!ギャー!と


悲鳴に近い歓声が上がっている。


また女子にやっかみ言われるかな、


そんな不安が頭をよぎった。


黒塗りの車まで連れていかれ、


志弐が隣に乗った。

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