第27話

朝起きると 、

母の言った通り 、カードが置いてあった 。


普通は朝ごはんを作ってくれるんじゃないの?


でも、そんな愛情を知らないから 、


期待もした事ない 。


母が昔出てたドラマの役は 、


優しい家族思いの母役で 、


そのドラマを見た幼い頃の私は驚愕した 。


母はこんな表情をするんだって 、


こんなに優しい人なのかって 。


母が優しい分けがなかった 。


週1の帰宅の日 、


帰ってきた母は、私にはただの


"いつも通りの母" だった 。


現実なんてそんなもの 。


それを知った私は夢を見なくなった 。


夢を見ても、結局は現実を見せつけられる。


だったら最初から期待しなければいい 。


小学生の頃の作文は、両親が喜びそうな


言葉を並べてやった 。


だが、それを発表する参観日に2人は来なかった。


中学校もお受験の私立名門を受けて 、


中高大一貫に通った 。

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