第45話

ぬくもりを求めていたんだ 。


「泣いてる 、」


「え、泣いてなんか 、ッ 」


自分でもびっくりした 。


なんで泣いてるの?

自分に問うてもわからない 。


「大丈夫だ 、

泣きたい時は泣けばいい 」


背中を優しくさすってくれる海歟さん。


なんでこんなに優しいの 、

人ってこんなにも温かいんだ 。


天涯孤独の身になった私は、

人のぬくもりを忘れかけていた 。


「ありがとうございますっ、」


泣きたくないのに 、

海歟さんが困るってわかってるのに


優しさに触れれば触れるほど、

涙は止まる事を知らない 。


「今日は、家まで送る 」


「すいません … 」


運転手の方にも申し訳なく思う 。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る