第5話

店に着き、

派手な外装に目を細める 。


中に入ると、ボーイが慌てて頭を下げる。


「吉良様!た、ただいま支配人を!!」


その声を聞き、

接客そっちのけで、女共がやってくる。


「海歟さん!!」


「今日も素敵ですね〜〜」


「私を指名してくださーい!」


甘ったるい香水に吐き気がしてくる。


むさ苦しい女共から目線を外すと、


こっちを不思議な顔で見ている女がいた。


一瞬、目を奪われた。


化粧っ気のない白い肌 。


二重の切れ長な目に、小さな唇。


今まで見てきた女な中で、

一番綺麗な女だった。


「お、おまたせ致しました!!吉良様!!」


支配人のハゲ頭を一瞥し、

また女の方を見ると、興味なさげにグラスに口をつけていた。


「おい、アイツは、」


支配人は、俺の視線の方に目を向ける 。

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