第22話 EP4-5 女の意地

 この世界せかいとなりには、『狭間はざま』とばれる世界せかいがある。

 狭間はざまには、『狭魔きょうま』とばれるモンスターがる。

 狭魔きょうまたおす、『魔狩まかり』とばれる人間にんげんがいる。


   ◇


 秋葉あきは先生せんせいは、たか巨乳きょにゅうの、保健ほけん体育たいいく臨時りんじおんな教師きょうしである。こしに、かわのベルトでまとめたむちをさげる。

 ちあがったブラウスのすそからおへそえて、たんパンからながあしびる。大人おとなっぽいこし太腿ふとももも、巨乳きょにゅうけずおとらずセクシーである。


「もう時間じかんがないのよねぇ。入院にゅういんちゅう村田むらた先生せんせいがぁ、もうすぐ退院たいいんして復帰ふっきされるそうよぉ」

 秋葉あきは先生せんせいが、生徒せいとける教師きょうしみでげた。

「そりゃかったっす」

 オレは、教師きょうしける生徒せいとみでこたえた。


 オレは、遠見とおみ 勇斗ゆうと。十四さい中学生ちゅうがくせいで、えないメガネ男子だんしである。こし廉価品れんかひん長剣ロングソードをさげる、一応いちおうしの魔狩まかりである。

 帰宅きたくして着替きがえてきたから、普段着ふだんぎティーシャツジーパンスニーカーである。


残念ざんねんだけどぉ、臨時りんじ教師きょうしわりでぇ、せっかく仲良なかよくなったみんなとぉ、おわかれなのぉ。わたしはぁ、ここは後任こうにんまかせてべつ場所ばしょくようにわれてるんだけどぉ」

 秋葉あきは先生せんせいが、忌々いまいましげにつづける。

わたしは、功績こうせきしいの! それを、後任こうにん横取よこどりされるなんて、ぴら御免ごめんなの!」

 たましいさけびだ。


 オレは、おそおそげる。

「あ、あの、秋葉あきは先生せんせい、ちょっと質問しつもんなんっすけど。それがどうして、こうなるっすか?」

「いい質問しつもんねぇ、遠見とおみくぅん

 秋葉あきは先生せんせいが、教師きょうしみでこたえる。

わたしねぇ、教団きょうだんでの立場たちばあやういのよぉ。だからぁ、希少きしょうな『スコーパ』をんでぇ、能力ちからみとめさせたくてぇ。多少たしょう強引ごういんにでもぉ、ちからづくでもぉ」


勇斗ゆうとみたいなザコじゃなくて、ランクSが目前もくぜんのアタシのほうくない? まぁ、このアタシにてたら、のはなしだけど」

 桃花ももかがオレのまえすすた。

 ちいさいむね巨乳きょにゅうにらう。


「う~ん、もうわけないけどぉ、バイオレンス絢染あやそめようはないのよねぇ。これからさき時代じだいはぁ、ちからつよいだけの『ウォリア』に価値かちなんてないんだからぁ」

 秋葉あきは先生せんせい悪意あくいちてわらいながら、にある小石こいしはなした。

研究けんきゅう部門ぶもんしんじるならぁ、ランクSだってころせる『上禍じょうまがつ』レベルらしいわよぉ」

 小石こいし駐車場ちゅうしゃじょうゆかちて、コツン、とかたった。


 前触まえぶれもなく、空気くうきわった。


   ◇


 快晴かいせいみたいなしろ世界せかいに、くろ竹林ちくりんひろがる。黒い竹林にまぎれて、ひと三倍さんばいくらいのサイズの、六本ろっぽんあしとら狭魔きょうまがウロつく。


 あし六本ろっぽんあるからとらじゃぁないか。きばがゴツいしつのもある。黄色きいろ毛皮けがわくろしま模様もようだからとらっぽい。

 オレはえる。この世界せかいから狭間はざまえる、特殊とくしゅ能力のうりょくちである。


 狭間はざまで、桃花ももか六本ろっぽんあしとら狭魔きょうま対峙たいじする。


 桃花ももかこし革鞘かわざやから大剣たいけんもなく、とら狭魔きょうまおそいかかった。

 後脚あとあしび、前脚まえあし二本にほん中脚なかあし二本にほんを、二重のダブル×クロスりおろした。

 ってけようとした桃花ももかのノースリーブシャツがやぶれた。むねあたりが千々ちぢかれて、った。


   ◇


 桃花ももかつよい。


 まず、才能さいのうがある。最強さいきょうひと後継こうけいばれてる。


 才能さいのう慢心まんしんせず、技術ぎじゅつみがく。学校がっこう勉強べんきょういやがるのに、剣術けんじゅつとか格闘技かくとうぎとかは自主的じしゅてき勉強べんきょうする。


 きもわってる。強敵きょうてきまえにしても、おくさず、狼狽うろたえず、ひるまず、げない。


 そしてなにより、むねちいさい。人並ひとなみにむねがあったら、とら狭魔きょうまつめけきれなかった。むねかれて、致命傷ちめいしょうになっていた。


 桃花ももかが、頭上ずじょうして背後はいご着地ちゃくちしたとら狭魔きょうまへとく。

「うぁー!」

 きざまに、大剣たいけんこし革鞘かわざやからき、とら狭魔きょうまへとななめにりおろした。

「りゃぁっ!」

 大剣たいけんとら狭魔きょうま背中せなかへとみ、毛皮けがわのさらにおくまでんだ。


   ◇


 小石こいし駐車場ちゅうしゃじょうゆかちて、コツン、とかたった。パキンッ、とたかおとくだけた。



マカリなのでハザマでキョウマとタタカわされます

第22話 EP4-5 おんな意地いじ/END

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