第52話

ってことは…これからは私ももう少しマシな服を部屋着にしないといけないってことなのかな?

でも、私は働いてないから、スーツとか着るわけではないし…

と、なると、今日みたいに起きてすぐに着替えて、寝るまでそのままってこと?

わぁ、なんだか窮屈だなぁ…




「まぁ、とにかく焦ることはないよ。

ゆっくり考えれば良いと思うよ。」


「え?あ…あぁ、そうですね。

ゆっくり考えます。」




ハネムーンの時から、柊司さんはだいたい10時頃まで私と話をしてくれる。

家族サービスみたいなものなのかな?

考えてみれば、つくづく柊司さんって、理想的な旦那さんだよね。

皮肉だけど、理想的過ぎるからこそ、偽装で訳ありってことなのかもしれないね。

普通、こんな完璧な旦那さんなんていないよね。




(うん、あんまり考え過ぎないことだよね。)




結婚生活はまだ始まったばかりなんだし、焦らずに一つずつクリアにしていくしかないよね。

最初は、習い事問題か…いや、部屋着問題?

あ…生活費=お小遣い問題もあったな。

考えてみれば、けっこうあれこれあったんだ。




そうそう…明日は寝坊しないように、ちゃんとアラームかけとかないとね。

朝食までに、ちゃんとメイクして服もマシなものに着替えなきゃいけないから、割と早起きしないとね。

思い描いていたぐーたらな専業主婦のイメージが、だんだん崩れていくのを私は感じた。

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