第34話




「わぁ、このはまち、とっても新鮮で美味しいですね。」


「そうでしょ、そうでしょ。さ、次は何にしますか?」




お母さん…お父さん…

なんでよりにもよって、回転寿司に連れて行くかな?

いや、確かに私は回転寿司は大好きだけど、柊司さんを連れて行くところじゃないでしょう。

しかも、今日はお昼に上等のお寿司を食べたところなのに…

柊司さんの機嫌が悪くならないかって心配したけど、にこにこ笑って楽しそうにはしてくれてる。

でも、もしかして、うちの家族に気を遣ってくれてるのかなぁ?




「柊司さん、サイドメニューはどうします?

あつあつのポテトでも食べますか?

それとも、スイーツ?」


「えーっ!そんなのもあるんですか?」


「ええ。タピオカだってありますよ。」


「えーっ!そんなものまで?」


「ご存じないってことは…回転寿司はひさしぶりですか?」


「いえ、今日が初めてです。」




「えーーーーっ!」


私達、家族の声が重なった。




「あれ?……それってやっぱり変ですか?」


「いや…変ではないですが、ちょっと驚きました。」


私も同じように驚いてしまったけど…考えてみれば、そうかもしれないね。

柊司さんの育った家庭はお金持ちなんだもん。

わざわざ、回転寿司になんて行かないよね。

でも…友達に誘われたりして、学生の頃とかに何度かは行ったことがあるのかと思ってたよ。




(柊司さん、あなた、筋金入りのお坊ちゃまだったのですね…)


私はあらためて驚きましたぞ。

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