第34話
*
「わぁ、このはまち、とっても新鮮で美味しいですね。」
「そうでしょ、そうでしょ。さ、次は何にしますか?」
お母さん…お父さん…
なんでよりにもよって、回転寿司に連れて行くかな?
いや、確かに私は回転寿司は大好きだけど、柊司さんを連れて行くところじゃないでしょう。
しかも、今日はお昼に上等のお寿司を食べたところなのに…
柊司さんの機嫌が悪くならないかって心配したけど、にこにこ笑って楽しそうにはしてくれてる。
でも、もしかして、うちの家族に気を遣ってくれてるのかなぁ?
「柊司さん、サイドメニューはどうします?
あつあつのポテトでも食べますか?
それとも、スイーツ?」
「えーっ!そんなのもあるんですか?」
「ええ。タピオカだってありますよ。」
「えーっ!そんなものまで?」
「ご存じないってことは…回転寿司はひさしぶりですか?」
「いえ、今日が初めてです。」
「えーーーーっ!」
私達、家族の声が重なった。
「あれ?……それってやっぱり変ですか?」
「いや…変ではないですが、ちょっと驚きました。」
私も同じように驚いてしまったけど…考えてみれば、そうかもしれないね。
柊司さんの育った家庭はお金持ちなんだもん。
わざわざ、回転寿司になんて行かないよね。
でも…友達に誘われたりして、学生の頃とかに何度かは行ったことがあるのかと思ってたよ。
(柊司さん、あなた、筋金入りのお坊ちゃまだったのですね…)
私はあらためて驚きましたぞ。
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