第4話

「何なの?訳ありだなんて…」


「実はな、今回の見合いの相手は、会長の息子だ。」


「えっ!?会長って……町内会長?」


「そうなら、良かったんだけどな…

我が社の会長だ。」


「……え?」


お父さんは、それほどたいした大学は出ていない。

仕事がバリバリ出来るってわけでもないはず。

だけど、昔から妙に運が良くて…

今の会社だって、このあたりでは知らない人がいないような大手建設会社で、なんで入れたのか、本人もわからないらしい。

その会社の会長からの見合い話だなんて……えー…まさか、そんなはずないよ。




「……信じられないのも無理はない。

僕だって、信じられない。

でも、本当なんだ。

実は、会長の一番下の息子さんとの話なんだけどな。」


「その息子が訳ありなのね。

どんなこと?引きこもり?マザコン?

まさか、暴力とか振るうんじゃないでしょうね。」


「まさか、いくらなんでもそんな相手なら僕だって断るさ。

極めて真面目で優しい人みたいだけど……どうやら、女性に興味がないみたいなんだ。」


「えーーーっ!?」


私は自分でも呆れるような素っ頓狂な声を発した。

だって、今の話はそんな声が出るくらい、衝撃的なことじゃない!?

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