第52話

「実は、私はジャミナより南には行ったことがないんだ。

ガザンの先にどんな国があるのかさえ、良くは知らない。」


「そうか、じゃあ、俺に任せとけ。

俺は、あちこちを旅したから、けっこういろんなところを知ってるぜ。」


「なぜ、そんなに旅をしてたんだ?」


マリウスさんは、にやっと笑った。




「俺は、探してるものがあるんだ。

そのためにあちこちを旅して来た。」


「探し物…?一体、何なんだ?」


「それは内緒だ。

だけど…多分、ここからそう遠くない所にあるんじゃないかって思ってる。」




マリウスさんの探し物って、一体、何なんだろう?

そういえば、ガザンのお城にもお宝を探しに来たみたいなことを言ってたし、何か特別なお宝を探してるのかな?




そんなことを考えてる間に、私達は町の傍に来ていた。

そこは、ガザンの中では比較的治安の良い場所らしく、商店や宿屋等もあるとのこと。




ようやく、何か食べられると思ったら、大きな音がお腹から響いた。

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