第16話
*
「……変わった格好してるんだな。」
「そ、そうですか?」
やっぱり私の思った通り、その家が彼の家だった。
木材で建てられた小屋といった感じだ。
さらに驚いたことには、彼の家には電気がないらしく、彼は蝋燭に火を灯した。
「ここを使ってくれ。」
彼は、私を小部屋に通した。
小さなベッドと椅子があるだけの部屋だ。
彼は、私のコートを脱がせ、そのベッドの上に私を寝かせると、すぐに部屋を出て行った。
誰のベッドかわからないし、なんかかび臭いような気もするけど、そんなこと言ってはいられない。
とにかく、助けてもらえたんだし、それだけでもありがたいと思わないと。
(いた……)
それにしても、この痛みは何なんだろう?
どこにも傷はないように思えるのだけど、とにかく全身が痛い。
(えっと……)
今日、家に帰ってからのことを私は思い起した。
お父さんとお母さんの異変…
そして、不思議な光…
(あ……)
私の腕には、やはりバングルがはめられていた。
右手には赤い宝石がついていて、左手には黄色い宝石がついていて…
やっぱりあれは夢じゃない。
現実の出来事なんだ。
バングルの冷たい感触に、私はそう思った。
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