第16話




「……変わった格好してるんだな。」


「そ、そうですか?」




やっぱり私の思った通り、その家が彼の家だった。

木材で建てられた小屋といった感じだ。

さらに驚いたことには、彼の家には電気がないらしく、彼は蝋燭に火を灯した。




「ここを使ってくれ。」


彼は、私を小部屋に通した。

小さなベッドと椅子があるだけの部屋だ。

彼は、私のコートを脱がせ、そのベッドの上に私を寝かせると、すぐに部屋を出て行った。




誰のベッドかわからないし、なんかかび臭いような気もするけど、そんなこと言ってはいられない。

とにかく、助けてもらえたんだし、それだけでもありがたいと思わないと。




(いた……)




それにしても、この痛みは何なんだろう?

どこにも傷はないように思えるのだけど、とにかく全身が痛い。




(えっと……)




今日、家に帰ってからのことを私は思い起した。




お父さんとお母さんの異変…

そして、不思議な光…




(あ……)




私の腕には、やはりバングルがはめられていた。

右手には赤い宝石がついていて、左手には黄色い宝石がついていて…




やっぱりあれは夢じゃない。

現実の出来事なんだ。

バングルの冷たい感触に、私はそう思った。

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