見知らぬ場所で

第12話




「……い、いた……」




あたりは静まり返り、何の音もしない。

しかも、墨で塗りつぶしたみたいに真っ暗だ。

さっきは、目を開けることも出来ないくらいに眩しかったっていうのに…まだ、目には残像が残ってるのに、今、ここは暗闇なのだ。




それよりも気になったのは、体の痛みだ。

インフルエンザにかかった時の関節の痛みよりもずっと痛い。

しかも、痛みは全身だ。




何度か起き上がろうとしたけれど、痛くて起き上がれない。

私は起き上がるのを諦め、そのままその場に横たわっていた。

そんなに寒くはないし、肌に触れる地面はしっとりとしている。




(ここ、どこなんだろう?

室内じゃないよね。

葉擦れの音がするし、風も感じるから、外なのは間違いないと思うけど…でも、なんで?

さっきは、うちのリビングだったのに…どういうこと!?)




考えてみても、答えには辿り着けない。

手がかりさえ何もない。




「わっ!」




突然響いた音に、私は思わず声を上げてしまった。

多分、今のは鳥の羽ばたきだったと思う。

ってことは、きっとここが外だっていう推測は間違ってない。




だけど、どこかわからない外に横たわってるのかと思ったら、不安な気持ちは大きくなった。

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