第5話

紙袋のことが気になって仕方がない。

帰宅するまで我慢することは出来なさそうで…

私は、会社の近くのコーヒーショップに立ち寄った。

大通りから一筋奥まった場所にあるせいか、いつも人が少なくてけっこう落ち着ける店だ。




一番奥の席に座り、私は、紙袋の中を確認した。

中には二つの包みが入っていた。

一つは有名なケーキ屋さんの包み。

開いてみると、美味しそうなクッキーが入ってた。

もう一つは細長い包み…

この形状は…でも、まさか…




「あっ…!」




それは想像通り、ネックレスだった。

ピンクの小さな石がついてて、キラキラ輝いている。




(小林さん、どうしてこんなものを…?)




まさか、まさか、まさか…

恥ずかしい想像にどんどん顔が熱くなる。

私は、クールダウンするために、アイスコーヒーをぐびぐびと飲み干した。




(あ……)


ネックレスの下に小さな紙きれがあるのをみつけた。




『先日はバレンタインのチョコレートをどうもありがとう。

とても嬉しかったです。

もしかしたら、僕のこと、少しは興味持ってくれてるのかな?なんて勘違いをして、こんなものを買ってしまいました。

もしも、それが僕の勘違いじゃなかったら、このネックレスを付けて下さい。

ただの勘違いなら、処分して下さいね。』




(マ、マジ…!?)

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