第3話
*
(はぁ…小林さん…今日も格好良いなぁ…)
同じ課の小林さん…イケメンといえばイケメンなんだけど、どちらかといえば、可愛い感じ。
特に、笑うと子供みたいに無邪気な顔になるのがとってもキュート。
入社してまだ間もない頃…
仕事が遅いって、お局様に叱られて落ち込んでた時、肩をぽんと叩いてくれて、その時にその笑顔を浮かべてくれた。
それを見たら、なんだかすっごく癒されて…
以来、密かに小林さんに片想い。
いつの時代の女だよって言われたけど…
恥ずかしくて、とても告白なんて出来ない。
考えてみれば、高校の時とかは、自分から告白したりしてたのに、なぜだか今は勇気が出ない。
(それだけ本気ってことなのかな?)
とりあえず、バレンタインデーにはチョコは渡した。
他の人にもあげて、いかにも義理チョコっぽく。
でも、他の人よりはずっと高級なチョコをあげた。
それが、私の精一杯のアピールだった。
せめて、チョコの他にも何かプレゼントを付ければ良かったのかもしれないけれど、私にはそんなことすらも出来なくて…
勇気のない自分に、ちょっと自己嫌悪に陥った。
そして、今日はホワイトデー。
小林さんのことだから、何かお返しは下さるだろうけど、それは単なるお返し。
そこには恋愛感情なんてない。
それがちょっと切ないけれど…
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