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溜め息をつく男

第1話

三枝香織さえぐさかおり


14才。私立香桜学園中等部3年生に在籍。

****年3月1日生まれ。

産まれた時の名前は安城香織あんじょうかおり


父親は安城大希あんじょうひろき

母親は安城恭子あんじょうきょうこ

10才の時母が病死。

11才の時に叔父安城疾風あんじょうはやてがイギリスで猟奇殺人事件を起こし、ネットに親族の情報が流れ父親の経営する物流会社も煽りを受け倒産。

12才の時、父親は三枝コーポレーション社長。三枝麻貴さえぐさまきと再婚。

三枝の籍に入り養女となる。

同時に血の繋がらない義理の兄、三枝憲広さえぐさのりひろができる。中学に入る時に学園の寮に入りほとんど新しい義母や義兄と暮らした事はない。

本年7月3日。父三枝大希

事故死。



長身の男がバサリと報告書を机に投げた。

『君みたいな男に娘をもらってもらいたいね。』

今は亡き三枝大希…いや、安城大希の声が聞こえた気がした。

俺が、か。無理な話だ。

視線を窓から海に転じる。溢れるのは重い溜め息。

どうするのが彼女に取っての幸せか。今はそれを考えるしか自分に出来ることはない。

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