第28話

「じゃあ、質問。」

真緒が可愛く顔の横に右手を挙げて首を傾げる。

うん。可愛い。彼氏もこんな仕草にめろめろなんだろうなぁ。

ニヤニヤ笑いしてる私に真緒は質問をぶつけた。


「由香、付き合ってる人いるの。」

「いない。大学生に為るまで恋はしないつもりだもん。」

「なんで。」

「中学ん時の恋愛経験で懲りた。私には男はまだ早い。」

「は?まだ早いって。」

「相手との温度差有りすぎ。手繋ぐ以上の行為が無理だったの。」


そう。良く告白されて何となく付き合ったんだけど、どんなイケメンが相手でもキスとか気持ち悪くて無理だった。

気まずくなって別れてまた告白されて付き合って。でも何人と付き合ってもキス出来なかった。

自覚は無いけど私は潔癖症なのかもしれない。(除菌用のウエットティッシュなんて持ち歩いたりしてないけど。)

「ふぅん。それって、今まで付き合った人の事を本気で好きじゃ無かったって事じゃないの。」

真緒は言うけど


「う~ん。どうかなぁ。

結構イケメンな子いたし一緒にいてそれなりに楽しかったし。

それでもいざとなると拒否したしなぁ。」

たかがキス、されどキス。多分私は好きな人としかキス出来ない。

所詮しょせん私はまだお子様なんだろうとそう思う。

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