第20話
そのまま私の顔をじっと見詰めてた先輩は、やがて私から視線を外すと
「悪かったな。もう関わらねえから。」
そう言うと固まってる私をお姫様抱っこして近くのベンチに座らせてくれた。重い教科書の入った鞄もベンチ迄運んでくれて。別れ際に
「歩ける様に成るまで休んどけ。
中庭は『龍王』の奴等が良く集まる。
関わらねえつもりなら近付かねえ方がいい。」
そう教えてくれた。
立ち入り禁止のロープが張ってあったのは今日は式典で保護者も出入りするからだと後日クラスメートに教えて貰った。
どうやら彼等は自分達のテリトリーに他人が入り込むのが嫌らしい。
ベンチに座る私を一度振り返り、才賀先輩と中庭を後にする黒豹先輩。
後ろ姿を見送りながら何故か胸が痛かった。
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