第6話

自慢じゃ無いが足は早いし体力もある。

程よく追っ手がバラけた所で振り向いて相手をする。

一人目はいきなりUターンした私に対応出来ず膝げりを食らって脱落したし二人目はそれを見て逆上して殴りかかって来た所を往なして蹴り飛ばした。

更に走る…。

あらら、武道館横で待ち伏せされてた。

新手が2人。

チラリと後ろを見ると普段走らないらしく、まだ後ろ3人との距離はかなりある。


「このっ!!」


体を掴もうとする腕から逃げて首筋に手刀を落とす。膝から崩れた彼女を支えるもう一人は無視して更に走る。

ひょいと後ろを振り返ればヘロヘロな3人がさっきの2人と合流していた。


「しばらくは大丈夫だよね。」


再び駆け出す私はさっきの体育館裏階段に戻る。相変わらずリーダーさんがひとりそこに居た。皆を待ってるんだろうな。

走り込んだ私を見て驚いてる。


「あんた、追っ手は?」


「振り切った。」


「へえ。」


リーダーさんは私の声に立ち上がる。

背が高い。175センチ位有りそう。


「おっきいね。」


顔のパーツもおっきくてハーフっぽい顔立ち。それは素直な感想だった。

モデルで食べられそう。レディースのリーダーさんなんだから強いよね。うん。大丈夫。ウォーミングアップは済んでるし。


「なんでここに帰って来た?」


彼女は私に近づき質問をしてきた。


「何事も元から絶たなきゃだめでしょ。

私を呼び出したのが『麗』なら上を叩くのが一番。私が勝ったら2度と私に構わないで。」


「いいよ。じゃあ、私が勝ったら、」


「考えるだけ無駄。」


私はにっこり笑うと彼女に向かって駆け出した。

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