第28話
午前8時過ぎ。
俺は真嶋の若頭邸の和室で、後ろ手に縛られた里江と淳志と呼ばれてる男と向き合っていた。
俺の隣には
ざっと5年の付き合いだ。
金城は俺が亜依に執着しているのを間近で見てきたから、『工藤組を殲滅しろ』と言っても然程驚かない。
ただ実際にそれをやれば龍聖会内で問題が起きるのも事実。
だから金城は俺の命令には頷かず亜依を探す事にのみ返事を返した。
まったく有能な部下だ。
今回の騒ぎは、亜依の警告を聞き流した俺にも非はある。そこに伊達の体調不良。慣れない東條の緊急時の対応。
それもこれも根本には真嶋組でのインフルエンザ蔓延がある。
有能な部下たちがバタバタ倒れた時にはマジで細菌テロみたく何処かの組に攻撃されたのかと青くなったが。
蓋を開ければ法定伝染病だったわけだ。
他に立ち合っているのは、
彼は叔父である真嶋錬治に仕えていたが錬治が表に出た時に真嶋組に留まった奴。
色白神経質そうな女顔。
見た目通り喧嘩は弱いが情報管理と運転能力は群を抜いていた。
田辺の側に控えるのは
コイツも錬治の部下で真嶋に残った奴。
情報管理補佐。
真面目で実直なんだが見た目が思い切り極悪面。ぶっちゃけ喧嘩できない田辺の護衛も兼任している。
部屋の隅に控えるのは
まだ三人とも新人だが、たまたま朝飯係で組に残ってた為、眠る伊達や、東條、里江、淳志の搬出に駆り出された奴等だ。
残りの組員は総出で亜依を探している。
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