第15話

写真を見せて欲しいと言う亜依ちゃんに


「ロウ兄にわたしてもらったもん。」


仔猫はニコニコ答える。


「そうなの?」


「うん。伸ちゃんがね。若頭のお屋敷に行くって言うから、おいてきてもらった。」


「伸ちゃんって誰?」


「保育園のお友達。お祖母ちゃんが酒屋さんなんだって。」


なんだってじゃねえよ!


「お前がストーカーだったのかよ。」


俺の声に


「まさかのオチですね。」


金城さんが答え、


「…びっくりだ。」


林も相槌を打った。


「百合。写真はありがたいがちゃんと百合からだと分かるようにしろ。」


秀一郎さんは仔猫の頭を撫でて苦笑した。

仔猫を可愛がるのは良いが秀一郎さん気付いてんのか。亜依ちゃんが阿修羅化してるんですけどっ!


「エイ!ストーカーって何!?」


ほら来たっ!!


「金城さーん!」


俺はサッサと逃げの態勢を取る。面倒な説明は任せたっ。


「ええっ!? わ、若頭っ?」


焦った金城さんは秀一郎さんに助けを求め

た。やっぱりこうなるよな。

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