第9話
「へえ!総長のこと『航』って呼ぶんだ?すごいね姫ちゃん。」
ひ、姫ちゃん?なんなんだこの賑やかな声の男は。
私は胡散臭い男を観察中。
背は172、3㎝かな。がっしりした肩幅で髪は短い金髪。
耳元で光るピアスが左右二個づつ。ちょっとチャラそう。
「俺、
「…アヤです。」
特攻隊?聞いて思わず源氏名を名乗る私。仕事中だしね。
「これ、アヤちゃんに。」
清田さんがヌッと目の前に差し出されたのは綺麗な…
「マカロン?」
美味しそう!
「アヤちゃんにお近づきの印。」
食べたい!甘いもの欲しい。
「航?」
もらっていい?期待を込めて見上げたら
「甘いもの好きなのか?」
「大好き。」
聞かれて素直に頷く。
そう言えば個人的な話をした覚えはないなぁ。
航は清田さんの手からマカロンが入った袋を取り上げてそっと私の右手に乗せた。
「ありがとうっ!!」
やった!久々の甘いお菓子!
私は満面の笑みで航にお礼を言い清田さんにも頭を下げた。
「「「笑った!かわいいっ!!」」」
そんな声が聞こえたのは一瞬。
「きゃ!」
いきなり歩き出した航にしがみついた私はもう少しで貴重なマカロンを落とす所だった。
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