第25話
正木の質問に答える序でに、事前に言っておいた。
「何だよ、それ楽しみにして来たのに」
「出し惜しみは良くないと思うぞ。それだけを目的に来たのに」
「サイン貰う為に特攻服も持ってきたんだぞ」
「そうだぞ。わざわざ白のマジックペン持参して来たのに」
お馬鹿なブーイングの嵐に辟易している俺たちに、天の助けが入る。
「丁度良かった。お久しぶりです」
入ってきたと同時に、挨拶をする零獅の後に、大樹と帝が続く。
「お邪魔!帝くん、最愛の皇妃見せてよ」
会って速攻なお強請りに、帝は冷たい一瞥をくれてソファーに向かう。
「すみません、
頭を下げる慎也に、零獅がフォローを入れた。
「大丈夫ですよ、馬場くん。帝は相手にしてませんから」
それをフォローと言うのかは疑問だけど。
「ちぇ~。間近で見てみたかったのにな、あの氷の冷帝を落とした女」
「そうだよな。実物のルナ、噂以上にいい女っぽかったからな」
2人の言葉に疑問が浮かぶ。
「会ったことあるみたいな言い方だね」
「俺たち、あの晩プラチナにいたからな。ゴールドで面白いショーやってるっぽかったから、野次ってた」
「中々、肝の据わった娘だよな。是非お近付きになりたかったのに。
盛大にヤられてたよね、大樹くん」
「うっせぇ!リ・・・ルナは、マジで強ぇんだぞ」
口を滑らせかけた大樹は、俺たちの睨みに慌てて言い直し、璃依ちゃんを褒める。
「無駄話はいい」
グダグダな雰囲気の中、帝の低い声が場を占める。
視線を集めた先には、肘掛けに腕を立てて気怠る気に斜に構える王者然とした覇者がいた。
「座れ」
その眼差し一つで、この場の空気を支配する。
「お前たちの馬鹿に付き合ってやれるほど、俺は暇じゃねぇ」
冷たく冷徹な声。
璃依ちゃんがいない今、此処にいるのは、冷帝と呼ばれ畏れられた“皇劉” の総長にして、“飛天凰雅連合” の総代としての皇 帝だった。
「さっさと本題に入れ。
異論は、認めねぇ」
正木たちを視線で牽制する。
「・・・へぇ。ここまでとはね。益々会いたかったなぁ」
そんな帝相手に、正木だけは口笛を吹きそうに軽口を叩く。
「ま、次の機会に期待しとくかな。今日は、皇帝のご機嫌も斜めみたいだし」
そう言って、面白そうに微笑した。
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