贈り物がしたい
侑と前のように一緒に過ごせるようになった。なんなら、前より家に来ているのかもしれない。その事もあるのか。最近の私は悩んでいた。せっかく仲直り出来たのだから、その印に何か送りたい。動機が少し幼稚すぎるだろうか。どうであれ、感謝の印的な感じでもいい気がする。
行動しなければ何も始まらない。と思い、近くのショッピングモールに来ていた。
「ひぇ〜、候補絞ってから来れば良かった……」
思い立ったらすぐ行動の精神で、来たため行き詰まってしまった。侑に送りたいものが多すぎる。
ペアルックしたいし、小物とかも送りたい。いや大外の……下着とか、流石に変かなでも、私しか知らないもの侑が身につけていると考えると、とても気分が良い。
しかし、私は侑のカップ数を知らなかった。私よりあるだろうと言った予測はたつが本当のところは、分からない。
私は一旦落ち着くために、カフェに立ち寄った。
「あら、葵ちゃん?」
声をかけられ、面食らう。よく前を見ると、侑のバイト先の店長さんがいた。確か名前は、……新崎さんだ。葵ちゃんって、家族にも言われた事がない愛称で、むず痒い。
「……こんにちは?」
「ふふっ、はい、こんにちは」
「一人?」
「そうです」
「一緒にどう?」
私よりも侑のことを知っている新崎さんと会ったのだ、相談の次いでにいいだろう。
「ぜひ」
お互い注文を終え、商品が来るのを待っている状態が続いている。非常に気まずい。友達の友達と二人になった時もこんな感じなのだろうか、よく知らないけどと半ば、現実逃避している私を新崎さんは、ただ面白そうに見ている。
「さてと、この前は、大変だったみたいね」
「……それはまぁ、そうですね」
この前と言うときっと仲違いした事だろう。侑にとっては、信頼出来る人なのだから、知っているのも頷ける。
「葵ちゃんは今日は、何か用があったの?」
「一様は」
今までの人生で、人に相談することなんて滅多になかったこともあり、また関係を測りかねている人に相談は迷惑だろうかと、経験不足等で足踏みしている。うだうだ悩むだけ無駄だ!
「……葵が好きなものはなんですか?」
「二人は、仲がいいのね。それで好きなものは、分からないわ」
終わった。相談とは、なんだろう。
「冗談よ。半分は本当のこと、侑ちゃんは、自分の好きなものを作らないみたいなとこあるから」
「そうなんですね」
「でも、侑ちゃんは誰かとの思い出は、欲してると思うわ」
「……」
思い出か。なら形に残るものの方がいいに決まってるはず!。
「何かわかった?」
「はい、相談乗って持ってありがとうございました」
葵がソワソワしている。昼間に何かしたのだろうか。でも、食材が減っていないので、料理では無い。聞いてみよう。
「葵、何か隠してない?」
ビクッと体を振るませながらそんなことはないと言う。続けざまに、やっぱりあると言う。一体どっちなのだろう。
ここで待っててと言い残しそさくさと自室に戻っていく。
「実は、日頃の感謝?的なもので、あ、ありがとういつも助かってます」
と紙袋を貰った。大きさの割に重たくなかった。
「……そんなことないよ。いつもこっちこそありがとう///」
紙袋と中には、袋とエプロンが入っていた。エプロンには、子猫が刺繍されており、可愛らしいものだった。
「袋の方は家に帰ってから見てください。お願いしますから」
「そう?なら家に帰ったからにする」
葵の恥ずかしそうにしている顔も見れたし、袋の正体は、家帰ってからのお楽しみにしておこう。
家に帰ってから、袋の中身を確かめてみると大きな熊のぬいぐるみが入っており、タグには名前が記されており、あおちゃんらしい。一体何が恥ずかしかったんだろう?
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