社会派! リクルート社の「新入社員意識調査」約10年分から20代社会人が何を考えているかを分析してみた
板皮類
序章
このコラムはリクルート社が、新人社員研修の受講者に対して毎年春に実施している、「新入社員意識調査」の約10年分を集計し、独自の解釈を加えたものです。
ネットニュースを見ているとアナリスト、マネジメントの先生方が今のZ世代(1996年から2012年生まれ≒10代~20代)の特徴を解説しています。しかし、ちょうど私(40歳代)は昨年から異業種に転向し、Z世代の同僚らと働いているのですが――実際に、彼らとつき合う中の肌感覚と比較して、腑に落ちる部分と、どうにも腑に落ちない部分がありました。
そこで着目したのが、今回取り上げるリクルート社の「新入社員意識調査」です。
この意識調査では過去10年間以上、同一のアンケートを新入社員に投げかけています(時々、設問が増えたり減ったりもしますが)。
同一の設問を投げかけているから、変化の有無にも容易に気づくことができるのではないか?
過去10年間のアンケート結果を集計すれば、Z世代の――特に働く20代が何を考えているかの全体像を捉える助けとなると考え、今回、個人的に集計した次第です。
以下、本編に進む前にこの分析結果の留意点・特徴をお伝えします。
■ その1 ここ10年間に特大サイズの変化はない ■
ここ10年分の「新入社員意識調査」をおおむね集計しましたが、小さな順位の入れ替えこそあるものの、「かつての少数派が、多数派になっている」というようなダイナミックな変化はありませんでした。
言い換えれば、20代の若者はおおむね仕事上の価値観に対して、共通の傾向がある(あった)と見なしていいのではないでしょうか?
■ その2 リクルート社の新人研修を受けた人へのアンケートである ■
分析した元のデータは、特定企業(リクルート社)の新人研修を受けた人に限られています。
リクルート社といえばホワイトカラー(事務・営業などオフィスワーク主体の業種)の代表格といえますが、異業種であれば、大なり小なり傾向に違いが出てくるかもしれません。
ただ、それでも1年につき数百から千数百のサンプルが取れている貴重な統計ですし、10年分になればその十倍! 今の20代の労働者を知る手がかりにはなるのではないかと思います。
■ その3 新入社員の意識についての分析である ■
アンケートはあくまで新入社員の考え方を集計したものであり、何らかの正解をダイレクトに表したものではありません。
例えば、これはネタばれになりますがアンケートを集計すると、今の20代は「競争」を重視していません。
これに対し「競争を減らし、チームワークを重視する環境を作ろう」と考えるのも1つの判断ですし、「その意識が低いのであれば、あえて競争を促すような職場環境を作ろう」と考えるのも1つの手でしょう。
あるいは「両極端ではなく、助け合いも競争も促す仕組みをどっちも作ろう」と考えてもいいかもしれません。
なお、本文では注意書きがない場合は、最新のアンケートである2024年度の「新入社員意識調査」を指しているものとします。
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