タイトル[人間の悩みは大したことはない]

絶望を超越するもの

タイトル[人間の悩みは大したことはない]

俺たち2人の男はいつものように

学校の空き部屋で昼飯を食いながら話をしていた。

 

「人間の悩みは大したことはない

妥協したり目の前の幸福を見つめ

直すことができれば結構解決出来るものだ」


「能力の格差に悩んだり金銭の格差に悩んで

ウジウジしてるよりも手に入れられた

幸福に目を向けた方がよっぽど楽しい

それはこの私もそうは思うだが

そんなことができるほどに人間は凄くは無い」


「まあそうだろうな、だから親ガチャと言う妥協の産物を作り出す
カエルからはカエルしか生まれないことを言い訳にして

一生カエルのまま生きようとする腑抜けの論理に過ぎない」


「だが人間が生まれによって最初から格差があるのは事実としてそうだろ?

そして貴方の考えは正しいと思う反面、そういうマインドセットに

なるための自分の思考の整理がそもそも難しいとこの私は言いたい
どこまでが自分の意思でどこからがある種

焚き付けられたような欲望なのかとか区別するのは余りにも難しい
いわゆる現代人の悩みというのは自分はどうしたいのかと

言うのがはっきりしないままぼんやりとした形のない

理想という名の幻を追いかけてる或いは追いかけさせられてることに

起因してるんじゃないかとは思う、或いはもしかしたら

何かはっきりとした目標を持たないといけないと言う

意識も外から植え付けられたものなのかもしれないがな」


「お前は自分が何者にもなれないと思っているのか?」


「それりゃあ何の才能もない平凡な存在ですからね?」


「手前は手前であって他の者になる必要なんてないじゃないか?」


「それはおそらく自分のことが自分でもよくわからないからだ

私は何者にも成れない自分という感覚はわかる反面

それが具体的にどういうものなのか別の言葉で説明できないんだ」


「そうか本当に難儀なものだな」


「本当にね」


「先の不幸ばかり考えるせいで目の前の幸福を見落としてる

これが現在がある程度満たされたからの弊害なのか?

或いは無駄に広い世界を知れるようになった弊害なのか?」


「昔から人間は変わらないさ、ただそれが少し見えるようになっただけ」

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