page7:自分“なんか”を特別に
7-1
「はぁ……」
帰宅して、葵とのそんなやりとりを思い出しながら
ページコメントでも「この2人のような恋愛がしたい」などと書かれていることも少なくない。天はそんなコメントを見つけると嬉しくなる。この恋愛小説の読者がいつかリアルな恋に結びつけばいいと思いながら今日も執筆をする。同時に、自分はキュンは理解できても恋愛というのがわからないので、どのような姿、行動が恋愛として正解なのか悩んでいた。
「今日はここまでにしようかな」
いつの間にか午前1時を回っており、眠気がくる。天は普段学校でも居眠りしてしまうから、あまり夜更かしはしないように気をつけている。スマホを切ってふと窓を見ると外の景色が見える。どうやら雨が降り出したようだった。カーテンを閉めようとした瞬間、窓に人影が映り思わず天は悲鳴をあげた。
「いやああ!!!でたぁぁ!?……って、私かい!紛らわしいな!」
そんなノリツッコミも虚しく響くだけ。そう、本日から三日間はGWとなり、世間は祝日。天の両親も県外の親戚に用があり泊まりに出かけていた。束の間の一人暮らしと天は喜んだが、こう夜になると心細くなる。これは早く寝るに限るとそう思い、素早く布団に潜り込んだ。
朝、といってももう日が高く昼。天はベッドから這い出て、スマホで時間を確認する。メッセージが何通か届いているのでそれに目を通す。
一つはリッカから。GWは1人だと伝えていたので大丈夫かという類のもの。母からも似たような感じの内容で送られてきていた。それに返事をして、最後のメッセージを開く。それは葵からだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます