5-10

『では、また月曜日学校で会いましょう。おやすみなさい』


「うん、おやすみ」


 そこで電話は切れる。天は緊張から心臓がドキドキと早く脈打っていた。



「安岐くん、何考えてるんだろう」


 天は葵のことが気になって仕方がなかった。小説のネタとしては今のやり取りも絶好のキュンポイント。いい話が書けそうなのだが、それよりも葵のことばかり考えてしまう。


「なんでだろ……」


 天は自分の気持ちにまだ気づかない。でもいつか何か、気づくだろう予感だけは感じていた。


 

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