死後の図書館

青天の霹靂

第1話 記憶の管理人

さて、今日はこれにしようか。


そう呟いた"それ"は男とも女とも子供とも大人とも見れる不思議な風貌。光のない濡羽色の髪に目。金の刺繍をあつらえた黒いキャソックに身を包んだその姿はまるで夜の闇のようだ。ただ一つ光っているものがあるとすれば、"それ"が手にとっている本だろう。


ここは亡者の記憶が保管される死後の図書館。生前の姿が本人の視点で記録されている。本はただの媒体にすぎない。"それ"の仕事はこれらの人生の"価値"を決めることだ。天国か地獄か、どちらが相応しいか見る。価値と言っても"それ"の主観である、何と理不尽であろうか!はたしてそうであろうか、それは読んで自分の目で見て考えろ、、、、

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