第88話
それでも、この2日間いつもあの空き教室に行ったせいか、足がかってに向いてしまった。
ドアを開けると、当たり前のように誰もいない。
窓辺により、ぼんやりと外を眺めた。
そして、その視界に。
二階、どこかの教室の窓側に、
女子生徒の背中が見えた。
両手を顔に当てているらしく、
俯いているようだ。
後ろ姿しか見えないせいか、誰かはわからない。
それなのに何故か、
廊下を引き返し、階段を登って、
その教室のドアを、
開けていた。
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