第49話
そう思いながら下駄箱で靴を交換している時だった。
「あっ、黎夜!」
振り向けば、元気よくこっちに走ってくる人物がいた。
着崩した制服に、茶色に染め、ワックスでセットされている髪。
耳にはピアスとジャラジャラと付けられている。
そいつの隣には、おい!やめたほうがいい!と引き留めようとするそいつの友達がいた。
「んだよ。別いいだろ?
ダチに声かけるなんてあたりめーじゃね?」
「えー。でもそいつ、今…」
そいつの友人が、俺に嫌悪の視線を向けてくる。
俺は視線を合わせない。
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