第66話
重い手を、再びリクに伸ばした。
届かないことも、とうに理解している。
触れていけないことも、ずっとわかっていた。
それでも、璃久が欲しくて欲しくて。
側にいたくて、触れていたくて。
それが叶わなくても、ただ同じ時を、同じ場所で過ごしていたかった。
「……璃久さん、……愛して、います…」
愛しています。
誰よりも、何よりも、
心からあなたを、
愛しているんです。
愛してしまって、
すみません。
「ごめん、な、…さい…」
瞼が落ちる。
世界から、色が消える。
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