『信じること。』

第19話


いつからか、僕は大人になった・・・


見たくもない『大人の姿』を見たから・・・


過去の僕は無邪気にはじゃぐ。



そんな姿だった・・・ そう、無邪気に・・・



『大人』という、冷めた社会・・・


『ルール』という、大人の決まり・・・


はみ出した僕には、辛いことが多い・・・



失う度、傷つき。失う度、何が悪いのかすらも分からなくなる・・・



もうダメだ。そう耳を塞いで泣いていた・・・


僕はもう無理なんだ。と泣いていた・・・


信じるなんて、もう嫌だと・・・



そんな時に、貴方の笑顔に涙が止まった・・・



『失うことは、仕方ないんだ。』と・・・


『生きていく上で、失うこともある。』んだと・・・


『ただ、失う怖さに人を信じないのは違う。』んだと・・・



僕にはもう、何も夢すらも、ぼやけていた・・・



信じるって何?また、失うのにどうして?


貴方は黙って微笑み、答えもなく・・・


ただ、微笑んだ・・・ こんな僕にさえ・・・



まだ過去の傷は消えなくても、明日からで良いから、また人を信じ、愛せる自分になれる様に。とだけ心に誓った・・・


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