第1話-⑲
靴を脱ぎ部屋に入る。
「ねぇ、
「だからこんな食べれないって」
ふたりであーだこーだ言い合うふたり。
学校で見る
その様子を少し眺め、
「俺帰るわ」
「「え"っ」」
ふたりが一斉に俺の方を見る。
ふたりして目を見開き驚いた顔をしていてちょっと笑った。
「
「ぁ…そう?」
俺は玄関へ続く廊下を歩き、靴を履く。
すると後ろから制服のシャツを引っ張られる。
「
後ろから
振り返ると
「昨日は、ありがとう 食べ物も」
「あぁ、いいよ 全然、体調良さそうで良かった」
「うん。ぁ、お金!お金返すよ いくらだった?」
手には財布が握られていて、申し訳なさそうな顔をしている。逆に気を使わせてしまった…と反省した。
「いいよ、俺がしたくてした事だし」
「でも…」
「いいの、いいの 俺の善意だと思って受け取って…」
「んー」
何か納得がいかない
「…俺が何かあった時は頼むわ」
そう言うと
「じゃあ、明日学校で」
「うん、また明日 本当にありがとう」
「おう」
そう言って
「ぇ、本当に帰っちゃったの?
「うん、帰ったよ」
「私お邪魔だったかしら…」
「違うから…そうじゃないから」
「でも、今日も来てくれるなんて本当に
「ん、だね」
俺はベッドの上に座る。
「良かったわ、
「…友達」
俺はボソッと呟いた。
「友達じゃないの?」
「…友達だよ…」
友達…。友達だ。
俺はゴソゴソっと布団の中へ潜る。
「寝るの?」
「うん、ちょっと」
「宿題しててもいい?」
「どうぞ」
自分に言い聞かせるように心の中で呟く。
インターホンが鳴り玄関の扉を開けた時、
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