「ちょっ、親父!それは違うだろ!」


俺は気づいたら親父に向かっていた。


「何が違うんだ!?強ければいじめなんて受けないんだ!そうだろつばさ!!」


「はッ?親父…!」


俺が言い返そうとした瞬間、グンっと服の裾を引っ張られた。


服の裾を見ると 翼が俯きながら首を振っていた。

それ以上言い合いをしないでと言うかのように。



「…ごめんなさい。私…強くなる…から」



「…つばさ…」



今でも忘れない妹のあの誰も信じないかのような目を。

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