「杏奈?杏奈!」


「あ、ごめ。なに?」


「ここ!ここ!これが分かんないんだよね」


「あ、これはね…」


今日は私の家で蓮と課題に取り組んでいた。


「…杏奈?なんかあった?」


「…え?なにが?」


「なんか元気ないよ」


「そんなことないよ」


笑顔で言うが蓮の顔は悲しそうで…


「なんかあるなら俺に言って?好きな子が辛いのは俺も辛い」


「…うん、ありがとう」


私がそう言うと蓮はぎゅっと抱きしめてくれた。


その暖かさが心地よくて私はぎゅーっと蓮を抱き締め返した。


「…ふふ、可愛いね」


蓮のその一言に照れる。

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