はじめての舞踏会②

「そうだったんだ、知らなかった」


「生徒だけじゃなく色んなヴァンパイアが集まるよ」


随分前に準備は終わっていたから、いつ開催されるんだろうって思っていたが今日だったとは知らなかった。

それで最近御影は凄く忙しそうだったのかと納得する。普段から御影は忙しい人で最近会えていない。夜遅くに帰って来て、朝早くに出ていく、そんな生活で話す機会なんて早々ない。


翼は全身鏡に映る自分を眺める。

そんな中こんな綺麗なドレス選んでくれたんだと思うと大変だったろうに…。


-サイズピッタリだし…なんかちょっと恥ずかしい…


「おお~!凄い似合ってる!綺麗だよ!翼ちゃん!」


「…ありがとう」


「翼様、これが仮面でございます」


「ありがとうございます。」


そういって差し出された仮面を受け取る。

目元を隠すように作られた仮面。これを付けて舞踏会に参加しなければいけない。


「仮面にもシーブルが入ってるんだね、ちゃんと考えられてる~ちょっと御影のこと見直したよ~」


真理愛は笑顔でうんうんと頷く。


「御影たちは朝早く出て行ったから私たちはゆっくり向かおう」


「うん」


そして二人で車に向かう。

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