ハンターの一族②

御影みかげはある書類に目を通し眉間に皺を寄せていた。ここに書いてあることが事実ならば、これは相当大変な事態である。


-どうしたものか…


【学園】のある六花専用の部屋。

そこでひとり頭を抱えていた。



カチャ


気づいた時には遅かった。

御影みかげの頭部に両側から銃が向けられる。


「あっれー鈍いなお前」


「お兄、こいつ弱いわ」


御影みかげを挟んで会話をする。


「お前等は正面の扉から入ってこられないのか?猿か?」


「うーわ、口わっる」


「しょーがねーよ、妹よ、こいつは今必死に怒りを抑えてるんだ」


御影みかげは向けられている銃を掴み、そのまま二人を振り上げる。


「お~しょっと」


華麗に着地する二人。


「なんのようですか」


「なんのようですかじゃないでしょー、みーかくーん」


分かってるよな?という視線を向けてくる。


ガチャ


「ぁ、海偉かいじゃねーかあ!」


部屋に入ってきたのはしゅういおり


「妹も!元気か~?」


「妹だけど、陸玖りくって名前があるんだけど。何頭悪いの?にわとりなの?なんなの?」


「めっちゃ怒るじゃん」


~、こいつらは所詮吸血種ヴァンパイアだ、しょーがねー」


「そうだね、そうだったわ、はは」


気持ちのこもっていない乾いた笑い声。

この兄妹はいつもあまり表情を崩さず、適当な事を話す。まるで本性が見えない。

そして二人は人間種だ。

【リデルガ】と【リアゾン】を行き来できる唯一の人間。

ヴァンパイアハンターの末裔である。

兄の海偉かいと妹の陸玖りく

昔は吸血種ヴァンパイアを狩っていたハンター達だったがここ数百年は世界をふたつに分けたことで人間を襲う吸血種ヴァンパイアもいなくなりハンター達は吸血種ヴァンパイアを狩る必要性がなくなった。

今ではお互いに監視し合い平和を保っている。

そんなハンターの二人が突然【学園】に現れた。

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