リアゾン②
通い慣れた通学路。
いつもの何ら変わりない風景をただ眺め学校へと向かう。
変わらないこの光景が
もう
-あと少し…あと少しで…。
学校に着き、教室へと向かう。
すれ違うのは女子生徒のみ。
ここは女子校だ。先生も生徒も全て皆女だけ。
教室へ入ると
その瞳は
「おはよう、
ふわふわの細いロングの髪に真っ白な肌。
淡いピンクの頬を赤らめ子猫のような可愛らしい声で名前を呼ぶ。
その姿に
「おはよう、
机にカバンを置き、椅子に腰をかける
そして手に持って出したのは可愛いリボンにラッピングされた袋。
「ねえねえ、
恥ずかしそうに言う
「ありがとう、食べていい?」
頷く
サクッといい音と共に口に広がる甘い味。
「美味しい、とっても美味しいよ。ありがとう」
そう告げると
人との交流を避けている
一緒にいると心地が良くて何でもない
ただ許される残りの時間を
一日一日を噛み締めて今日も学校生活を送っていた。細心の注意を払って…。
朝礼まで時間たわいもない話を
そこから慌ただしく担任の先生が入ってくる。
まだ朝礼にしては早すぎる彼女の登場に生徒たちは不思議に思いジッと彼女に視線を向ける。
「皆さん、座って頂けますか?少し早いですが朝礼を始めます。」
何となく慌てている担任の姿に生徒達も不安に思い従った。
彼女は教室中を見渡し、全員が座ったのを確認して一言教室の扉に向けて言葉を発した。
「…どうぞ、お入り下さい」
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