歌手は3000年前の中国に会いにいく
沼津平成
歌手は3000年前の中国に会いにいく
【これまでのあらすじ】
あどべんちゃのっち、というグループをご存知だろうか。
——わからない?
無理もない。”数年前”というのは、203X年からみて、数年前なのだから。
そのころタイムマシーンが開発されて、紀元前千五百年までの過去に行けるようになった。未来にはいけない——。
【今のあらすじ】
阿倍野とDon Doko Docon が数年前出会った、そのときふたりは古代中国に行った。あてもなくぶらりと、行く——。そこでみたのは音楽——らしきものを奏でる楽しそうな人たち。
彼らは思った。(あぁ——歌は楽しいんだナ)そして彼らに似たような、自分たちの歌を聞かせる。ギターは持ってきた。あとは、デュエットするだけ——。
チャン、という最後の音が響いた。大好評。歓声。大拍手。ヒュ〜という声。懐かしやという声。どうして懐かしいのかわからないが、彼らはその曲でデビューした。
【これからのあらすじ】
彼らは恩返しのためにもう一度古代中国に行った。しかし、あの時の三ヶ月に行ってしまった。まあいいや。彼らはバケツいっぱいの貝とギターを持って歌を歌い始めた。
チュン、という最後の音が響いた。かつてないほどの大歓声に包まれながら、あどべんちゃのっちはお辞儀をして、タイムマシンに乗った。そして、次はどこへ行こうか? と相談を始める。
歌手は3000年前の中国に会いにいく 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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