青木雪の考察ノート

ネガティブ野郎

第1話 青木雪という女性は

――中央管理塔リノ――

塔の端、風が吹くはずの場所そんな危険な所に恐怖心皆無な少女がぽつりと座っていた。

『怪異都市ここは素晴らしい街ですわ

怪異と怪異とみなされた者が集う都市らくえん

そんなゴロツキが沢山いるような街は今日も騒がしく楽しくそして裏では汚らしい大人達の遊び場でしかないのですから……』

少女は指差す

『あなた達の活躍に期待しようかしらね』


          ×


「虎男待ちなさい!!さもなくば爆発系統の魔法を貴方に使うことになるわよ!!!!」

そんな美しい容姿と可愛らしい声からは出てこない言葉をくりだす女性は虎男と呼ばれる男性を追いかけていた。

「ユキ!!お、落ち着けそんなもんこんな所で使ったら怪異衛兵警察が来るだろうがぁ!!」

「たしかに怪異衛兵が来ると面倒で仕方ないわね……」

するとユキと呼ばれる女性は腰のデッキケースから一つのカードを取り出した。

「来なさい、四大精霊の一角【火竜サラマンダー】」

虎男はふざけるなと言わんばかりの表情で召喚した火竜を見ていた。

「おいおい!ユキ!たかが一使い魔の俺に四大精霊を召喚してんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「なによ虎男!私を怒らせたのはそっちでしょう!!罰として同じ使い魔の火竜ちゃんと戦ってもらいます」

「ふざけンなぁぁ!!四大精霊だろうがぁぁ!!こちとら十二聖獣だっつぅ―の!!レベル差ありすぎるだろ!!」

「ほらほら、少年漫画の主人公みたいに頑張りなさいよ!!オスでしょう!!」

「黙れ!!鬼畜魔法使い!!」

「あらあら良いのかしらそんな言葉を使って、手加減ナシでいくけど」

「あっ!あの手加減してもらってもよろしいでしょうか」

「やりなさい!!火竜!!」

「イェス マイ マスター」

炎の鎧と炎の尻尾、騎士らしい立ち振舞をする火竜は虎男へと襲いかかる。

「クソっ!!【獣化ビースト】」

そう叫ぶ虎男は、黄色と黒色の模様の虎人間に変身していた。

「獣化なんて使わないと火竜には勝てない、いやこれでも負けるのによぉぉ……」

虎男は素手で火竜の剣を受け止めるがどうやらフェイントだったらしい、火竜は隠し持っていた炎の短剣で虎男斬る。

「痛えマジ痛え、死んでもカードに戻るだけだけどよ!!クソ!!」

虎男はユキのほうを見る、すげぇ鬼のような顔をしていた。

怖いマジで怖いなんだよなんなんだよ、なにがいけなかったんだ。

この前俺が見ていたアニメのネタバレをしたからか!それとも冷蔵庫にあったユキのプリンを食ったことか!!それともそれとも……どれだ、怒る理由が沢山ってわからん。

「あらあら、私が怒っている理由が分からないようね虎男」

火竜から距離を起き、ユキの言葉に10回ほど頷く。

「覚えていないのなら一回死になさい!!」

「だそうだイエロータイガー」

「くっそ!!ここは逃げるが正解だ!!」

ユキはデッキケースから使い魔カードとは違う一つのカードを取り出した。

「空間魔術【火竜の守護する城】!!」

「げっ!!嘘だろ逃げられない!!」

火竜が手を叩きながら歩いてくる

「イエロータイガーもう諦めろここは私の空間絶対勝利場面だ」

瞬間、火竜の剣撃が音速かのように虎男の体を切り刻んだのだった。


そして虎男はこう思う、青木雪という女性は……【魔術女帝】の名にふさわしい力の持ち主なのだと

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