AtoZ
そーや
プロローグ
灰色の雲が覆った冬の日。
世界の超常現象のバランスを取る組織のエージェントが、レンガで作られた建物に近づいてきた。
街から離れた場所に建っているその二階建ての建物の入り口に警備の2人が立っていた。
身分証を提示して、中に入るとすぐに地下へ繋がる階段が現れる。
その先の鉄扉を開くと一部屋一部屋違う作りの牢獄のような部屋が一直線にならび、各扉にはアルファベット一文字が書かれている。
これが中に入っている者の呼び名となっている。
この施設の通称である『AtoZ』はこれに由来する。
エージェントは並んでいる文字を見ながら目的の部屋へと向かって行く。
ここ『AtoZ』は、特異体質を持つものを収容する施設。
たった1人で世界のバランスを崩してしまう、そんな人物を収容、監視しているのだ。
この施設は世間には公表されておらず、中に収容されている者たちは罪人というわけでもない。
危険すぎる力がゆえに半ば封印のような形を取らざるをえないのだ。
この日までは。
彼らを閉じ込め、上辺だけの安心を信じていたはずであったのだが…
1人、激しい怒りを秘めた収容者が。
その力を発揮してしまうまでは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます