作話
@keiba3150
第1話
辿々しい歩幅
強く握るその手
幼い顔つき
今日も聞かせてよ作り話を
なにがあったか知りたいな
今日という日を貴方が思い出せるように
何回でも聞かせて
不器用な手つき
文字が反転してるね
めちゃくちゃな絵も文字も
ぜんぶぜんぶ愛おしい
数字も覚えてないけど
私の年齢は覚えてる
泣いて震える背中を抱きしめたい
一人で行かないで一緒に歩こうよ
ここが貴方の帰るところ
読み聞かせをして
「分かんない」って笑顔で
「もう一回読んで」って嬉しそうに
喧嘩をして
「大嫌い」って涙目で
「ごめんなさい」って悲しそうに
次の朝にはケロッとしてる
何食べたい?って
「おいしいのがいい」って
もぐもぐ噛んで
ポロポロこぼして
「ごちそうさま」って聞かせて
一緒にお風呂に入って
洗い合いっこ
シャンプー苦手だけど我慢してね
濡れたままリビングに行かないでって
何回目か忘れちゃう
優しく拭いて
ドライヤーが少ない毛を靡かせる
笑って過せる日々を抱きしめたい
一人でいかないで、一緒に生きようよ
ここが貴方の帰るところ
────────────
#t
参考
NHK「認知症の世界」
蛭子能収さん
作話 @keiba3150
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ヒロアカを観て/@keiba3150
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
摘蕾/@keiba3150
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 3話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます