第17話 図書館にて
金曜日、無事(?)勉強を教えることが出来、土曜日になった。
そんな俺は、今ある人と図書館にいる。
「うぅぅ......難しい、難しいよ真波ぃ......」
俺の前の席に座り、絶望感が入り交じった声でそう言っている間宮さん。
今日、俺は一人で勉強するつもりだったが、昨日の夜、勝手に追加されていた「ゆーか」という人から、市内の図書館に来てくれという連絡があったのだ。
間宮さんは今の所、勉強をちゃんとやっている。だが、勉強を教えるだけの目的で俺を呼び出した訳では無いはずだ。
「ところでさぁ、真波。「あのこと」、忘れてないよね?」
「あのこと?」
「龍希に告るの手伝うってやつ」
まぁ、やっぱりそうだよな。
「覚えてるけど、今日はその事で呼んだっていう感じ?」
「勉強もやるよ? 赤点取ったらヤバいからねぇ。でも、まぁ、今日はそっちの方が真の目的というかなんというか......」
そう言って、間宮さんは少し小さなメモ帳を取り出している。
「はい、真波さんよ。このメモ帳に龍希を私がいないとダメにする方法、書いて?」
「いや、いきなり言われても無理よ?」
龍希のことをまぁまぁ知っている俺でも、龍希の知らないところはあるはずだし、さっきも言ったが急にそんなこと言われても無理だ。
そもそも、恋愛に興味が一切ないあの龍希が誰かと付き合うということすら想像できない。
よって無理。以上。
「教えてくれたら『ご褒美』あるのになぁ〜?」
......よし、龍希。お前のこと売るわ。
「ちなみに、何が貰えるんだい?」
俺がそう聞くと、間宮さんは少し迷ったように考えて━━━━━
「う〜ん......男子高校生だからねぇ......私の水着姿の写真でも送ればいっしょ! 女子の水着姿なんて、男子にはお宝だろうし!」
そう、軽く言う間宮さんだが......正直に言おう。そんなもんいらん。あんまり言いたくないが、木滝さんとかなら欲しくはある。俺も年頃の男子だし。だけど、水森と間宮さんのは......いらん、燃やす。そっこー処分する。
「帰るわ」
「ちょっと待てぇぇ!!!?」
色々な感情が混ざってそうな驚いている顔で止めに来る間宮さん。
「わかったわかった! 私が龍希狙ってる理由言うから!!!」
何がわかったなのかが全く分からないが、龍希が好きな理由......気になるし興味があるので、俺は「誰にもこのことを話さない」という条件付きで、間宮さんの話を聞くことが出来るようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます