第37話
私は、すぐさま母さんに連絡した。
『結婚することになった』と。
すると、母さんは10秒かそこらで返信をしてきた。
そのメッセージには母親という生き物のぬくもりが感じられた。
『琴葉、おめでとう』
どんな言葉よりも優しかったと思う。
私は、嬉しさを胸に抱え眠りへついた。
私は、会社に行く準備をしていた。
「おはよう、琴葉」
葛馬はそう言って、抱きしめてくれた。
「おはよう」
私もそう返した。
こんな時間が夢のようだった。
好きな人がすぐ側に居て、抱きしめてくれている。
こんなに幸せなことなどないだろう。
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